「じぶんの死」
オリジナルの詩「じぶんの死」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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どうか
わらわないで
聞いてください……
真剣な話です
じぶんの死は
ないのです
どこにも
ないのです
他人の葬儀はあり
他人の遺骨はあり
他人の位牌は
あるでしょう……
けれど
それさえ
死そのもの
ではありません……
まして
じぶんの死が
どこにあると
いうのでしょうか
じぶんの死は
ないのです
どこにも
ないのです
どこにもない
何かを
いくら
望んだとしても
思い通りには
ならないのです……
たとえ
それが
苦しみから
逃れようとする
やむを得ない行為
だったとしても……
じぶんの死は
ないのです
どこにも
ないのです
どこにも
ないのだから
終わりも
ないのです……
終わりが
ないのだから
つきつめれば
じぶんとは
永遠なのです
じぶんとは
無限なのです
じぶんとは
存在そのもの
なのです
「だいじなこと(2024)」
オリジナルの詩「だいじなこと(2024)」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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どれほど
言い飽きても
何度も
言わなくてはならない、
どれほど
聞き飽きても
何度も
聞かなくてはならない、
それは
ぼくらが
ぼくら自身を
守る
だいじなことだから……
それは
じぶんを
生きること、
他人でもなく
会社でもなく
じぶんを
生きること
それは
今を
生きること、
過去でもなく
未来でもなく
今を
生きること
それは
ありがとうを
生きること、
うっせぇでもなく
むかつくでもなく
ありがとうを
生きること
それは
ゆるしを
生きること、
憎しみでもなく
復讐でもなく
ゆるしを
生きること
それは
神秘を
生きること、
見えることでもなく
聞こえることでもなく
神秘を
生きること、
この宇宙の摂理が
じぶんのなかで
今まさに
脈打っている……
その神秘を
丁寧に
生きること
「メメント・モリ」
オリジナルの詩「メメント・モリ」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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どうせ
事故が起こるなら
車や電車は
いらないのだろうか
どうせ
枯れてしまうなら
生け花や花束は
いらないのだろうか
どうせ
解けてしまうなら
魔法や奇跡は
いらないのだろうか
メメント・モリ、
メメント・モリ
どうせ
死んでしまうなら
人生は
いらないのだろうか
メメント・モリ、
メメント・モリ
ぼくらは
いつか
かならず
死ぬ……
死を
忘れてはならない
だからこそ、
だからこそ、
だからこそ……
「キリエ」
オリジナルの詩「キリエ」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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キリエ・エレイソン……
都市という名の
深海で
ぼくはひたすら
身をひそめ
息を殺して
待っている
天の救いを
待っている
ぼくはこのまま
水圧に
つぶされながら
息絶えて
誰も見えない
闇のなか
行方不明に
なるのかな
天の救いは
きっとある
そう信じては
いるけれど
やはり救いは
ないのかと
恨む気持ちも
あるのです
都市という名の
深海で
できることって
なんだろう
できることなど
し尽くして
ぼくはひたすら
祈ります
天に向かって
祈ります
キリエ・エレイソン……
キリエ・エレイソン……
「ハナミズキ」
オリジナルの詩「ハナミズキ」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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――あれって
花じゃないんだよ
「そうほう」というの……
葉っぱが
変化したやつだって
あのひとは
どこにいるのだろう……
ハナミズキの
そうほうを
教えてくれた
あのひとは
この春
どうしているのだろう……
あの春の
ずいぶんあとになってから
逆境に耐える愛という
ことばもあると知った、
ハナミズキの
花ことばの中に
ぼくが
悪かった、
逆境に
耐えられなかった
ぼくが
悪かった
それだけじゃない、
今になっても
耐えるということが
上手くできないんだ
あのひとは今
どこにいるのだろう……
あのひとは今
どうしているのだろう……
この春も
ぼくは
そうほうの下で、
ハナミズキの
そうほうの下で
ふらふら、
ふらふらしています
(そうほう:総苞)
「愛想笑い」
オリジナルの詩「愛想笑い」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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会社で
愛想笑いばかりしているから
僕の頬は
いつも
ひどい筋肉痛です
無理にでも
笑顔を作れば
楽しくなるという話は
知っていますが
いくら愛想笑いを続けても
楽しいと感じたことは
一度もありません
帰りの丸ノ内線で
僕は
頬を引っ張り
疲れ切った顔を
脱ぎ捨てます
ついでだから
胴体も
手足も
脱ぎ捨てます
そういうわけで
今夜も
丸ノ内線では
乗った客よりも
降りた客が
一人少ないのです
「蒔く」
オリジナルの詩「蒔く」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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どうしても
苦しい日、
僕は
種を蒔きます
ぼろぼろに
汚れた手で
あかあかと
焼けてしまった
この世界の土に、
その土の光に、
種を蒔きます
胸の奥の
闇を引き裂き
そこに隠れていた
古い種を取り出し
新しい息を吹きかけて
できる限り
ゆっくりと
丁寧に蒔くのです
もし
やわらかな雨と
さわやかな風と
あたたかな気温が
そろったら
芽が
出るでしょう……
いや、それでも
芽は
出ないかもしれません……
僕には
わかりません
どうしても
苦しい日、
僕は
種を蒔きます
僕にできることは
種を蒔くことだけなのです
「カメレオンの言葉」
オリジナルの詩「カメレオンの言葉」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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(ある日、
森の中で出逢ったカメレオンが
こう言った)
どうか私たちを
見分けないでください……
私たちの
命全体という大自然の
不思議な混沌を
切り刻まずに
そのまま
認めてほしいのです
あなたたちの
命全体という神秘こそが
この宇宙であり
それは
私たちの
命全体と
重なり合い
繋がり合い
溶け合っているにちがいないと
私は
感じているのです
どうか私たちを
見分けないでください
そして
どうか
捕らえないでください……
あなたたちの
命は
私たちの
命でもあり
私たちの
命は
あなたたちの
命でもあるのですから
「帽子と会社」
オリジナルの詩「帽子と会社」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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洋服掛けが
燃えている……
白いシャツが
火の色に染まる様子を
朝の月が
黙って見ている部屋で
洋服掛けが
燃えている……
僕が
炎に包まれた洋服掛けから
火のついた帽子を
取って
鏡の前に立つと
鏡の中の僕が
その帽子を
しきりに
かぶり直している……
たとえ火が
ついていたとしても
とにかく
帽子は
角度が重要なのだ
鏡の中の僕は
鏡の中の鞄を
持ち
鏡の中のドアを
あけて
会社に向かった
炎に包まれた洋服掛けを
残して
火の色に染まったシャツを
残して
朝の月を
残して
鏡の外の僕を
残して
火のついた帽子を
しきりに
かぶり直しながら
何食わぬ顔で
会社に向かった
「呼びかけと返事」
オリジナルの詩「呼びかけと返事」を、iPhone の読み上げ機能に朗読してもらいました。
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草原に
寝そべっていたら
青空に
大きな耳が
現れた
――ねえ、
聞こえますか?
ぼくが
呼びかけてみると
――はい、
聞こえますよ
青空が
返事をしてくれた
ぼくは
何を言ったらいいのか
わからなかったけれど
とにかく
呼びかけたくて
たまらなくなった
――ねえねえ
――はいはい
何度呼びかけても
青空は
飽きずに
返事をしてくれる
もしかしたら
語ることは
それほど
大事ではないのかもしれない……
だれかや
なにかが
存在しているということを
互いに
ただ認めあう……
それが
とても
大事なことなのかもしれない
――ねえねえ
――はいはい
何度呼びかけても
青空は
飽きずに
返事をしてくれる
草原の
そよ風を
いっぱいに
吸い込んだら
ぼくは
体じゅうが
ぽかぽかしていることに
気がついた
「うそ」
きみは
あの ことばを
くやんで
いるのだろうか
じぶんを せめて
いるのだろうか
ぼくはね、
真実とは
ちがう ことばが
ぜんぶ うそだとは
おもえないんだ
真実とは
ちがう ことばを
やむをえず
つかわなくては
ならないこともある
そして
真実の ことばを
つかうためには
真実とは
ちがう ことばも
つかえなくては
ならないんだ
ひとの ことばを
ゆるすためには
じぶんの ことばも
ゆるせなくては
ならないんだ
ぼくかい?
ぼくは まだ
じぶんの ことばを
ゆるす道の
とちゅうで
のんびりしている
ところだよ
「天の風」
どうか
その愛を包み
落として……
あなたから
地の底へ
この身を
引き裂き 焼く
憎しみなんて
もう たくさんです、
どうして……
いつか
この愛を包み
乗せたい、
あなたへの
天の風に
「泣いていい ~ふしぎな風の ことば 12」
(関連曲)
「ふしぎな風の ことば」のシリーズは、作者が夢などを通じて、風のような「何か」から感じ取った言葉を再構成したものです。
ちから
~ふしぎな風の ことば(11)
忘れていた歌
~ふしぎな風の ことば (10)
モノローグ
~ふしぎな風の ことば(9)
勇気(朗読と音楽)
~ふしぎな風の ことば (8)
森
~ふしぎな風の ことば (7)
模様
~ふしぎな風の ことば (6)
風の瞑想曲
~ふしぎな風の ことば (5)
クリスマスの風の ことば
こたえのない せかい
~ふしぎな風の ことば (3)
おりがみの舟
~ふしぎな風の ことば (2)
ふしぎな風の ことば
☆☆☆☆☆☆☆
泣いていいんだよ
夜の
台風のように
はげしく
泣きなさい
疲れていいんだよ
朝の
ビル風のように
へとへとに
疲れなさい
眠っていいんだよ
午後の
そよ風のように
やわらかに
眠りなさい
自信なんて
なくていいんだ
うまくいかないものなんだ
きずつくものなんだ
かなしいものなんだ
泣くほかないくらい
つらくて
くやしくて
とてつもなく
かなしいものなんだ
泣いていい、
がまんしないで
はげしく
泣いていいんだよ
「まほうの箱 ~2023 Remastered」
おぼえてますか
こころから
ありがとうって
じんせいで
はじめて言った
日のことを
ぼくは おぼえて
いないけど
ことばと生きて
いるうちに
きみが やさしく
息をして
ぼくと笑って
くれた日に
ありがとうって
どうしても
言いたくなると
知りました
ことばを生きて
知りました
しあわせを よぶ
まほうとは
ありがとうって
ほんとうに
おもう こころを
ほかほかの
ことばの箱に
つめあわせ
あいての色に
よく にあう
リボンをかけて
わたすことです
まほうの箱を
手から手へ
ゆうきをだして
わたすことです
「愛 ~2023 Remastered」
愛の はんたいは
無関心なのでしょうか
多いことの はんたいは
少ないことでしょうか
得ることの はんたいは
失うことなのですか……
ああ、
みえるのです
きこえるのです
七つの ひかりが
七つの ひびきが
あなたは だまっている……
この大地の
あえぎを前にして
うめきを前にして
どうか、
謎を解きあかしてください
争いの はんたいは
なんなのでしょうか
罰の はんたいは……
死の はんたいは……
七つの ひかりを
七つの ひびきを
あたえてください
どうか、
この大地に
この ひびわれた大地に
「物語 ~イラストMV ver.」
引き続き(※)、夜宮ゆめは様にイラスト(アニメーション)バージョンのMVを制作していただきました!
(※)夜宮ゆめは様によるMV
《風 ~イラストMV ver.》
《殻 ~イラストMV ver.》
《孤独 ~イラストMV ver.》
夜宮様は、優れたイラストレーター・Live2Dモデラーであるだけでなく、スタイリッシュなMV・アニメーション等の動画制作、そしてご自身でも素敵な楽曲を作詞・作曲されるマルチアーティストです✨
☆YouTube(ゆめはちゃんねる。)
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*************************
涙をください
あずけてください
君が隠した涙を
誰も気づかない涙を
君の小舟が暗い海を漂い
たどり着いた岸……
壊れかけた舟の へりで
凍える片足をあげ
降りるかどうか迷う君の
泣き声が きこえます
潮騒のような泣き声が
涙をください
ひと晩でもいいから
あずかります
ゆっくりと
ねむってください
朝が来たら
きかせてください
君自身の口から
君自身の物語を
涙をください
あずけてください
腐蝕した舟を
荒れ狂う海を
かじかむ体を
ひと晩でもいいから
あずかります
ゆっくりと
ねむってください
君だけの物語のために
君だけが話せる物語のために
——————
イラストMV: 夜宮ゆめは様
詩・曲: PURPLE PEN
うた: 東北きりたん
伴奏: iReal Pro, finale にて作成
——————
「風 ~イラストMV ver.」
引き続き(※)、夜宮ゆめは様にイラスト(アニメーション)バージョンのMVを制作していただきました!
(※)夜宮ゆめは様によるMV
《殻 ~イラストMV ver.》
《孤独 ~イラストMV ver.》
夜宮様は、優れたイラストレーター・Live2Dモデラーであるだけでなく、スタイリッシュなMV・アニメーション等の動画制作、そしてご自身でも素敵な楽曲を作詞・作曲されるマルチアーティストです✨
☆YouTube(ゆめはちゃんねる。)
☆Webサイト
☆Twitter
☆Instagram
*************************
ああ、南風よ
この身を つつむ風
かなしみも慈しむ
あなたの まなざしは
ああ、北の鳥よ
ひかりを まとう鳥
くるしみも慈しむ
あなたの ほほえみは
ああ、西の波よ
涙を とかす波
ああ、東風よ
誓いを はこぶ風
ああ、風よ
——————
イラストMV: 夜宮ゆめは様
詩・曲: PURPLE PEN
うた: 東北きりたん
伴奏: finale にて作成
——————
「つながり(朗読と音楽)」
引き続き(※)、名無しの根なし草さまに、詩を朗読していただきました!
(※)名無しの根なし草さまに朗読をご担当いただいた他の動画
《羅針盤と炎》
《勇気 ~ふしぎな風の ことば 8 》
《銀いろのUFO》
お聴きの通り、“声優さんっぽくない”自然体の お声で、とっても素敵な朗読やナレーションをしていらっしゃる方です。
☆☆☆☆☆☆☆
夢は創造
深い どこかの底から
深い なにかの底から
大切なものを
すくいあげる創造
外ではなく
内へ、内へと
もぐっていく創造
夢は かなしみ
深い どこかの底で
深い なにかの底で
だれかの いたみを
やわらげるような
呪文になる かなしみ
涙を受けとめ
勇気づける かなしみ
目を閉じる……力まずに
意識を向ける……焦らずに
紫の光に
鐘の残響に
森の匂いに
潮風の味に
手の温もりに
ぼんやりと意識を向ける
深い どこかの底へ
深い なにかの底へ
もぐっていく
すべては変わりつづける、
変わりつづけるという
ことだけは
決して変わらない真実だ
無理をしなくていい
じぶんを ことさら
変えようとしなくていい
ゆっくりと眠り
夢を大事にしていれば
自然に
変わっていくものだから
夢は存在そのもの
内へと もぐり
深い底に着き
さらに岩盤を掘って進むと
どんどん、どんどん
掘って進むと
いつか必ず たどり着く
存在そのものに たどり着く
夢は つながり
歩道に咲くサザンカとの
巣を張るクモとの
鳴きつづけるシジュウカラとの
離れたところにいる
あなたとの つながり
離れていても ここにいる
あなたとの つながり
——————
朗読: 名無しの根なし草 様
詩・音楽: PURPLE PEN
——————
「殻 ~イラストMV ver.」
《孤独 ~イラストMV ver.》に続いて、夜宮ゆめは様にイラスト(アニメーション)バージョンのMVを制作していただきました!
夜宮様は、優れたイラストレーター・Live2Dモデラーであるだけでなく、スタイリッシュなMV・アニメーション等の動画制作、そしてご自身でも素敵な楽曲を作詞・作曲されるマルチアーティストです✨
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************************
雨あがりの午後
ぼくは崖で
苔を踏んだ
足の裏に
ぬるっとした感触……
谷底まで
ころげ落ちた
整形外科の受付で
患者たちが
痛みを こらえきれず
うめきながら
妖しい教典を
奪いあっている
そのとき気づいた……
怪我が問題ではない、
殻が問題なのだ
ぼくらを閉じこめ
わずかな亀裂から
光が もれているのに
決して割れない殻が
問題なのだ
(教典の声が……)
―― 先のばしは
やめなさい、
あの亀裂に
手をかけて
足を突っこんで
影を けって
くぐり抜けろ
今、ぼくは
ふたたび崖を
のぼっている
ここが殻の外なのかさえ
わからないまま
ただ慎重に
苔を踏みながら
のぼっている
——————
イラストMV: 夜宮ゆめは様
詩・曲: PURPLE PEN
うた: 東北きりたん
伴奏: finale にて作成, iReal Pro
——————
「羅針盤と炎(朗読と音楽)」
引き続き(※)、名無しの根なし草さまに、詩を朗読していただきました!
(※)名無しの根なし草さまに朗読をご担当いただいた他の動画
《勇気 ~ふしぎな風の ことば 8 》
《銀いろのUFO》
お聴きの通り、“声優さんっぽくない”自然体の お声で、とっても素敵な朗読やナレーションをしていらっしゃる方です。
☆☆☆☆☆☆☆
平然と歩いてはきたが
ほんとうは
納得していない、
みんなの羅針盤が
指した この方角に
ほんとうは
納得などしていない
たぶん きみも
おなじだろう、
ぼくは そう信じている
矛盾してばかりの方角
矛盾してばかりの地図
いったい、なぜ……
その ひみつは
炎にある
ちらちらと
消え入りそうな炎に
ぼくらは
炎が消えてしまうまで
じぶんの羅針盤を
照らそうとしない、
先のばしが
好きなのだ
新しい蝋燭に
炎を移さないと……
消えてしまう前に
移さないと……
その機会は
一度きりなのか
何度もくるのか
ぼくらには
決して わからない
ほら、紫色の炎を
みつめているうちに
かわりつづける時空の
すべてが
しなやかに止まってくれる
その瞬間を
逃してはならない
新しい蝋燭を取りだすのだ
じぶん自身の羅針盤を
照らす炎を
古い蝋燭から受けとるのだ
みんなの羅針盤ではなく
じぶん自身の羅針盤を
照らす炎を
今夜、きみは
ぼくの炎を
どこかで みているのだろうか
しずかに燃えている
ぼくの炎を
みているのだろうか
ぼくは
きみの炎を みています
きみ自身の羅針盤と
きみ自身の地図を
照らして
燃えているにちがいない、
ぼくは そう信じている
——————
朗読: 名無しの根なし草 様
詩・音楽: PURPLE PEN
——————
「 孤独 ~イラストMV ver. 」
夜宮ゆめは様にイラスト(アニメーション)バージョンのMVを制作していただきました!
夜宮様は、優れたイラストレーター・Live2Dモデラーであるだけでなく、スタイリッシュなMV・アニメーション等の動画制作、そしてご自身でも素敵な楽曲を作詞・作曲されるマルチアーティストです✨
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☆Webサイト
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☆Instagram
☆☆☆☆☆☆☆
ぼくは
気にいらない
ほんとうの
かおを恨み
都合のいい
かおに
つくりかえ、
気にいらない
ほんとうの
うちゅうを恨み
都合のいい
うちゅうを
こしらえています
それなのに
孤独の なかで
泣いています
いや……
うちゅうの ほうなんだ
泣いているのは、
ほんとうの
ぼくを信じて
泣いているのは
ほんとうの
うちゅうの ほうなんだ
孤独なのは
都合のいい
かおの ほうです
都合のいい
うちゅうの ほうです
ほんとうの
うちゅうと
ほんとうの
ぼくは
ひとつです
ほんとうの
うちゅうが
いきいきと
自問自答を
くりかえしている
だけど
それが みえない
それが きこえない
どうしても
目を あけてしまうから
耳を そばだててしまうから
どうしても
わからないのです
——————
イラストMV: 夜宮ゆめは様
詩・曲: PURPLE PEN
うた: 東北きりたん
伴奏: finale にて作成, iReal Pro
——————
「勇気
~ふしぎな風の ことば 8(朗読と音楽)」
「銀いろのUFO」に続いて、名無しの根なし草さまに、詩を朗読していただきました!
お聴きの通り、“声優さんっぽくない”自然体の お声で、とっても素敵な朗読やナレーションをしていらっしゃる方です。
☆☆☆☆☆☆☆
なにかに ぶつかり、
だれかに ぶつかり、
うしろの わかれ道を思い出し
僕は悔やんでいた……
暗い道を
通り過ぎようとしているのに
するどく両目を
突き刺してくる光に
おじけづき
あとずさりしながら
光が やわらかに揺れ
ふしぎな風の ことばが きこえた
――心の隅の ごみ箱に
この輝きを あて
みつけなさい
あの白い紙を
みつけるのです
くしゃくしゃになった
あの白い紙を
みつけるのです
まだ あたたかなものが
かくれているから
そのなかに
あたたかなものが、まだ
僕は
泥まみれになって
汗まみれになって
独りで追ってきたのだった
心の外にある
なにもない未来を
だれもいない未来を
なにかに
たよればいいのに
だれかに
たよればいいのに
光が つよく揺れた
――ふしぎな出逢いに
みちた未来を
ひらく鍵とは
勇気のことだ
心の隅の ごみ箱から
くしゃくしゃになった
あの白い紙を
ひろいあげ
丁寧にひろげてゆく
ささやかな
勇気のことだ
過去とは
未来であり
わかれ道とは
一本道であり
後悔とは
希望なのです
そうだった、
僕は暗い道を
通り過ぎようと
していたのだった
もう
悔やんでも
悔やまなくても
おそれても
おそれなくても
どちらでもいい、
するどく両目を
突き刺してくる光に
あとずさりしたって
かまわない……
勇気を、
ささやかな勇気を
忘れさえしなければ
それでいいのだ
——————
朗読: 名無しの根なし草 様
詩・音楽: PURPLE PEN
——————
「銀いろのUFO(朗読と音楽)」
名無しの根なし草さまに、詩を朗読していただきました!
お聴きの通り、“声優さんっぽくない”自然体の お声で、とっても素敵な朗読やナレーションをしていらっしゃる方です。
☆☆☆☆☆☆☆
ぼくは銀いろのUFO
うちゅう好きなハナちゃんが
ぼくの ひもをギュッとして
伯父さんが買うまで泣いて
なみだが かれるほど
ねだってくれた
銀いろのUFOだから
ねだってくれた
ハナちゃんが
あそんでくれたのは3日だけ
そのあと、ぼくは天井に
ぐいぐい あたまを
おされている
銀いろのUFOなのに
おされている
ハナちゃんがいるのは
伯父さんと 伯母さんの家
ふたりとも
がんばりやさんだけど
忙しそうでイライラしている
ハナちゃんは
学校から かえると
いつも ひとりぼっちで
いつも ちっちゃな画面をみて
天井を
みあげない
銀いろのUFOがいるのに
みあげない
じまんの銀いろに
ホコリが たまった
だんだんヘリウムガスが
ぬけていく
しかたがない
……床に不時着だ
ああ、しわしわで
はずかしい
ハナちゃんが ねだってくれた
銀いろのUFOなのに
はずかしい
きょうは燃やすゴミの日
ハナちゃん、げんきでね
ときどきは天井を
みあげてね
こんどは
ほんものの うちゅうで
天の川を
なん千光年もワープして
いっしょに
ふしぎな星雲を みにいこう
ハナちゃん、げんきでね
ときどきは
夜空も みあげてね
なん十年でも、なん百年でも
ぼくはハナちゃんを
みつづけている
銀いろのUFOだから
みつづけている
——————
朗読: 名無しの根なし草 様
詩・音楽: PURPLE PEN
——————